ビジネ
ブ導入

ランプロダの成功
必要なデドと

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機能的価値と情緒的価値

ビジネス「種
構成する2つの要素
てお

みなさんが育てようとしているブランドや商品の、アイデアの元となる種(価値)は、「機能」と「情緒」で構成されています。機能的価値は目に見えたり体感できたりするもの。例えば性能や品質そして原材料など数値化もできる価値が該当します。情緒的価値は、実際に見たり触れたりしたときにポジティブな影響を与える要素。ストーリーやビジョン、そしてデザインなどが含まれます。
種の要素が機能的価値だけの場合、エポックメーキングな花が咲いても、後発商品による希少価値の減少(類似)や価格競争に陥ることも考えられます。機能的価値だけの弱点には、情緒的価値が効きます。“この花だから買いたい”と思わせる情緒的価値(ストーリーと伝播表現)が欠かません。
種から育てるときには、機能的価値と情緒的価値を両輪で設計しておくことが最も大切なのです。

よい花を咲かせるには
Fig 1.
  • 2. 種 = ブランドやプロダクト根源
  • A. 胚 = 機能的価値|品質・性能
  • B. 胚 = 情緒的価値|デザイン・ストーリー

種の設計イコール
戦略と戦術設計につながる

種は「機能的価値」と「情緒的価値」とは別に、「可変」と「不変」という要素でも構成されています。可変は、花を咲かせたり、より美しくしたりするために品種改良していい部分。不変は、絶対に変えてはいけない部分で、たとえば企業理念や品質、ユーザーとの共通認識から外れる変更があてはまります。そのためにも自社の「不変」が何なのか理解しておきましょう。
不変であるべき会社やブランドの本質を変えることなく、常に新しい挑戦を続け、流行を作りながら自身を刷新していくーーこのアクションこそ持続可能である唯一の方法という考え方は、俳人・松尾芭蕉の言葉である「不易流行」とも言い換えられます。
例えば世界企業であるトヨタは、「自動車を作る会社」から「サービスとしての移動機能を広く提供する会社」へとフルモデルチェンジを図っています。若い世代の自動車離れが進むなか、「モビリティ」という軸は変えることなくビジネスモデルを変えようとしていることは、不易流行の一例と言えます。
変わらない大切なものを持ちながら、新しい変化を取り入れることで、時代を問わず生き続けることができるのです。種を植えなければ花は咲きません。そして種の中身によって咲く花は決まっています。花の出来栄えを疑う前に、私たちクリエイティブパートナーシップと種をしっかり設計しませんか?